生前対策とは、お元気なうちに自分自身や、将来残していく家族のために予め様々な対策を行うことです。

具体的には、以下の6つが主な生前対策です。

①遺言作成・・・死後の財産について書き残すこと

②任意後見契約・・認知症などで判断能力が低下した際の財産管理などを信頼できる人に依頼すること

③家族信託・・家族のみんなで、自宅や管理している賃貸不動産・会社などを任せる人をあらかじめ決めること

④相続税対策・・生前の非課税枠などを利用し、相続税を軽減させること

⑤尊厳死宣言公正証書作成・・尊厳のある最後のために延命治療のことなどの意思表示を行うこと

⑥死後事務委任契約・・亡くなった後の事務を専門家等に依頼すること


相続で争ったり、手続きに苦労される方のほとんどが生前に対策を取っていなかった方々です。

元気な今だからこそ、専門家に自分や家族に合った終活を相談しましょう。

①遺言作成の手続き

遺言(いごん・ゆいごん)とは、人が自分の亡くなった後に財産の分配や民法に定められた遺言事項につき、あらかじめ決めておく最期の意思表示のことです。


平成29年度法務省調査によりますと、75歳以上で遺言作成をしている又は作成したことがある人の割合は、11%程度と争族(亡くなった後に家族が遺産で争うこと)が増えている現在でも、いまだ少ないのが現状です。

遺言がない場合は、遺産分割協議(相続人全員の話し合い)が必要になり、亡くなった大切な家族の遺産について揉めることは、多くの時間を費やすことになり、精神的苦痛も生じます。

遺言を残すことは、自分自身のためだけでなく残していく家族のために必要不可欠だと私は考えています。

↓~その他の関連ページはこちら~↓

法定後見・任意後見の手続

後見制度とは、認知症や障害など様々な原因で判断能力(自分がしようとしている行為が法律上どのような意味を持っているか認識する能力)が低下した人を法的に保護する制度のことです。

2021年現在では、日本人の平均寿命は女性は87.74歳、男性が81.64歳となっており、年々長生きになっています。

そして、高齢になり判断能力が低下したときは、財産の管理や様々な契約などを自分自身で行うのが難しくなってしまいます。

後見制度には事前に行う任意後見と判断能力が低下した事後に行う法定後見があります。

↓~その他の関連ページはこちら~↓

家族信託(民事信託)手続き

家族信託・・(正式名称 民事信託)

「信託」とは、信じて託すことを意味します。

家族信託とは、元気なうちに自分の財産を、自分の決めた方法で信頼してもらう人に管理・運用してもらう制度です。

家族と名が付きますが、信じて託すひとは必ずしも親族である必要はありません。

家族信託においての最大のメリットは資産凍の凍結を避けることにあります。

自宅の管理(修繕や売却)、賃貸人に貸しているアパートなどの管理、そして自身の会社の株の管理など、日常生活ではさまざまな場面で法律行為が必要となりますが、所有者自身が認知症などで判断能力が低下したしまうとそのような行為ができなくなってしまいます。これは家族がいても代理で行うことはできません。

特に以下のような方は家族信託を行うことで様々なメリットがあります。

①将来自宅を売却して施設に入りたい方

②障害のある子どもがいる方

③賃貸用にアパートやマンションなどを所有している方

④財産の行先を長い目で決めておきたい方

⑤施設に入った後や、亡くなった後にペットの管理を任せたい方

⑥自分の会社を経営している方 など

家族信託は、経験豊富な専門家による家族に合った設計が何よりも大切です。

まずは、一度当事務所にご相談ください。

↓~その他の関連ページはこちら~↓

④相続税対策の手続き

↓~その他の関連ページはこちら~↓

⑤尊厳死宣言公正証書作成手続き

尊厳死宣言書(別名 リビング・ウィル)とは、病気が不治かつ末期の際に延命措置を行わない旨を伝える書面です。

人としての尊厳を保つという意味で尊厳死宣言といいます。

尊厳死宣言は法律に定めはなく、自筆で作成することもできますが公正証書で作成するのが推奨されます。

尊厳死宣言に記載する項目は以下のようなものが一般的です。

  • 尊厳死の意思表示
  • どうして尊厳死を希望するのか・気持ち・作成時の判断能力について
  • 同意している家族について
  • 医療関係者に対する免責事項・刑事責任への配慮

↓~その他の関連ページはこちら~↓

⑥死後事務委任契約手続き

死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の葬儀、納骨、お墓のこと、遺品整理などの手続きを第三者(司法書士、行政書士など)へ委任する契約です。


亡くなった後の諸々の手続きは、家族が行うのが一般的です。

ですが、任せる家族がいない方、兄弟姉妹はいるけど高齢で遠方にいるため頼みにくい・・などの心配がある方が多く利用しています。

葬儀のことや納骨から、遺品整理まで様々な内容を依頼することが可能です。

死後事務委任契約は、あくまで死後の事務お手続きのみ委任するため、その他の遺産や生前の財産管理のことを考え、遺言作成や任意後見契約とセットで行うことが多いです。

↓~その他の関連ページはこちら~↓