亡くなった方の財産の中に農地(田・畑)があるときは、注意が必要です。

今回は、承継をテーマとしますので『相続人』又は『包括受遺者』の場合で詳しく勉強していきましょう!

農地を相続した場合は、農業委員会に届出が必要

農地も不動産の一種ですので、農地を相続した=登記が必要、というところまでは皆さんご存じかと思います。

ですが、登記に加え、農地の取得の場合は農業委員会への届出が必要です。

届出は義務なので、忘れるとペナルティ(10万円以下の過料)があります。ご注意ください。

では、必要書類を確認しましょう。

  • 農地の相続等の届出書
  • 相続したことを確認できる書面(遺言書や登記簿謄本など)

誰が届出する必要があるの?

対象→平成21年12月15日以降に農地を相続した相続人や受遺者になります。

届け出義務者は以下の通りです。

遺産分割協議前→相続人全員

遺産分割協議後→受け取り相続人

遺言→包括受遺者など

農地を相続した後、売却したい場合は?

現在農業従事者でない場合、生活スタイルによっては農地を相続したものの早く手放したいとお考えの方も多くお見受けします。

しかし、農地は宅地と異なり簡単に手放せるものではありませんのでご注意ください。

①農地のまま農業従事者に売却

農地のまま売却する場合は農業委員会の許可・届出(農地法第3条許可等)が必要です。

この時、市街化区域か調整区域かにより許可または届出と手続きが異なります。

許可は、届出と比較し難易度が高いですので専門家への依頼をおススメ致します。

②農地以外に用途変更して売却

宅地など農地以外に、用途を変更してから売却するときは農業委員会の許可(農地法第5条許可)が必要です。

土地によって、転用が難しいケースも多くまず、専門家に農地転用(5条)が可能な農地か調査してもらうと良いでしょう。

お時間がある場合は、自分で調査してみることももちろん可能です。

事前に農業委員会に電話予約したうえで、資料を持参し打ち合わせし、可否の可能性や必要書類を確認します。

農地を放棄したい!

相続人のうちだれも農地を相続したくない・・

農地以外に財産もない・・

面倒なことに関わりたくない・・

などといった場合は、家庭裁判所で相続放棄申述を行うことも可能です。

相続放棄をする場合は、被相続人の死亡から3か月以内に家庭裁判所に申し立てます。

ただし、相続放棄をすると農地以外の財産も一切受け取ることができませんのでご注意ください。

エメラルド司法書士・行政書士事務所では農地のご相談も可能です!

お気軽にお問い合わせください。