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今回の相談内容は【生命保険の相続】です。
相談内容
【先月、父が他界しました。相続の手続きが必要と知り、いろいろな財産の洗い出しを行っています。そこでご質問なのですが、生命保険金が300万円ほど入ることが判明しました。これも遺産として、協議が必要なのでしょうか?】
生命保険金の受取人を調べよう

上記のようなご質問は、とても多くいただいています。
生命保険も数多くの種類がありますが、今回のケースはあくまで【亡くなったときにご家族などに支払われるもの=死亡保険金】とことになりますので、そのご説明をさせていただきます。
まず、ここで1番大切なのは受取人の指定の有無になります。
~受取人指定の場合~
例えば、受取人が配偶者(山田花子)などと指定がある場合はどうでしょうか?
答えは【遺産ではないので、協議の必要はありません】となります。つまり、配偶者である山田花子さん全額取得します。
あくまで固有の財産となり、他の相続人の同意や印鑑などを要せず単独で(一人で)受取の手続きが可能です。
あとで分配してくれと他の相続人の方に言われたという方もいらっしゃいますが、分ける義務はありません。
~受取人の指定が保険約款にあり、単に【相続人】とある場合~
上記のように、配偶者の山田花子、長男の山田太郎など個人の指定ではなく、保険契約でただ法定相続人法などと記載があるケースもございます。
その場合も、上記同様遺産ではなく、あくまで生命保険の受取人としての地位ですので、遺産分割協議の対象ではありません。(非相続財産)
そのため、実際上は、死亡保険金を法定相続分にて分割ということになります。
ただし、死亡保険金は「みなし相続財産」なので、死亡保険金の合計額や他の相続財産の評価額によっては相続税が発生する可能性がございます。(相続税法上の遺産扱いのこと)
「500万円×法定相続人」の非課税枠も利用可能です。
~受取人が被相続人(亡くなった方)の場合~

今回のような死亡保険で、被相続人が受取人になっているケースは現在、非常に稀です。
死亡保険の受取人は、あくまで対象者が亡くなって発生する金銭債権なので、亡くなった方=受取人では理論上おかしいからです。
ですが、稀にこのようなケースもあり、この場合は相続財産となりますので【遺産分割協議の対象】となります。
~指定されている方が先に他界していた場合~
受取人に指定した方が、被相続人より先に亡くなった場合はどうでしょうか?
実際は、受取人にしていた方が亡くなった場合、変更手続きをとる方が多いですが、手続きを行わずに亡くなった場合はその法定相続人に承継されることに注意が必要です。
特に子どものいない夫婦が、お互いを受取人にして生命保険に加入している場合、妻が亡くなった後、手続きを行わずに夫も他界した場合、妻の兄弟姉妹などに夫の死亡保険金が承継されることになります。思わぬ方に、保険金がいくのを防ぎたい場合は、早めの手続きが必要です。
~指定されている方が相続放棄した場合~
では指定されていた相続人が、相続放棄した場合はどうでしょうか?
相続を放棄しているのだから当然もらえないと思う方が多いですが、実際はNO!受け取り可能です。
というのも、相続財産ではなく固有の財産(受取人の財産)となりますので放棄の有無に関係なく、受取ができるのです。
まずは専門家に相談しましょう。
生命保険は民法上も税法上も扱いが煩雑です。
まずは悩んだら、お気軽にお問い合わせください。
エメラルド司法書士・行政書士事務所は相続に特化しています。365日面談可能です!(要予約制)