遺言執行者について解説します!
遺言執行者は法律的に「いごんしっこうしゃ」と読みます。
遺言内容を実現するために必要な手続きを行なう人のことを指します。
遺言執行者が行うことは、文字のとおり遺言内容の実現ですので遺言内容に沿って遺産の分配作業を行います。
具体的には、相続人に対して就任通知を送ったり、不動産の名義変更や銀行口座の解約を行い遺言に沿って財産を正確に相続人または受遺者の名義になるように手続きを行います。

遺言執行者を決める方法(選任)
【1】遺言者が遺言で指定する
遺言執行者の選任方法のいち最もよく使われているであろう方法です。
遺言書に「行政書士 中村麻里を遺言執行者に指定する」等と記載し、実際の執行について依頼しておきます。
その場合、公正証書遺言の正本は遺言執行者が管理することが多いです。
【2】遺言執行者を指定する人を遺言で決める
次に、遺言者が遺言執行者を指定する人を決めて、遺言書に記載しておく方法もあります。実務上、ほとんど利用されていないように感じます。
【3】家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらう
家庭裁判所に申立て、遺言執行者を選任してもらう方法もあります。
遺言書があるのに、遺言執行者の記載がない場合や、遺言執行者に指定されていた人がすでに他界していたり、就任を断った場合にも、家庭裁判所に遺言執行者選任の申し立ては可能です。
注意が必要となるのは、申立ての利益がないと却下される可能性があることです。
遺言執行者がいないともそもそも実現できない内容や、執行者がいた方がいい場合などは問題ありません。このようなケースは専門家へ相談しましょう!
遺言執行者の報酬
遺言執行者の報酬は、遺言書で指定を受ける場合は条項内に記載するのが一般的です。7
多くは遺産額の1~3%で、最低金額の定めがあることが多い印象です。
30万円~数百万円と、遺言内容や遺産額により幅広く設定されています。
遺言執行者の報酬に記載がない場合や、家庭裁判所で選任申し立てを行った場合は報酬付与の申し立てを行います。
遺言執行者になれる人
①未成年者②破産者・・・を除き、誰でも遺言執行者に就任可能です。
この未成年や破産者は、執行の時点で判断される説が有力です。
実務上は、遺言作成に携わった司法書士や行政書士等の専門家や、相続人や受遺者が指定を受けることもございます。
Aという不動産をもらう人=Aの不動産についての遺言執行者というように、対象となる財産ごとに遺言で遺言執行者を決めることは可能です。なお、遺言内で分担を指定していない場合は、任務の執行を遺言執行者の過半数で決定します。
保存行為(家の修繕など)については各遺言執行者が単独で行うことができます。
第1017条
1.遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
2.各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
遺言執行者は拒否できるの?
結論、遺言執行者の就任拒否は可能です。 必ず承諾しなければならないわけではありません。
ですが、一度就任した場合は、利用なく辞任したり、放棄することはできません。
遺言が見つかって、遺言執行者になる予定だけれど不安という方は当事務所までご相談ください。
遺言執行者は民法上の様々な義務があり、就任通知や目録交付などが必要です。
当事務所では、執行のサポートも多く行っています。
お気軽にお問い合わせください。